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第75回:やりたいことの見つけ方(4)~研究に関して1~

 今週から数回にわたって「研究」について述べます。

 研究

 プロジェクトともう一つ、大学で大きくやることに関して「研究」というものがあります。
 私もがっつり研究を行い、論文を書いた、という経験がないので、全てを語ることができませんが、SFC、また特に大学では、プロジェクトよりもこの「研究」が、行われていることの中心となります。
 AO入試の対策では「問題発見、問題解決」というSFCが理念としていることがしばしば謳われて、多くの受験生が「NPOを設立する」「株式会社を起業する」「ジャーナリストになる」「こういったプロダクトを作る」といったように直接的に社会に働きかける行動をやりたいことに掲げるのですが、しっかりと腰を据えて過去、あるいは現在の社会、現象を明らかにしていく「研究」も選択肢の一つに入れてみて良いと思いますし、実際に入学後そうなる学生が多くいるように感じます。 研究とはそもそも何か?ですが、簡単に言えば、明らかにされていないことを明らかにすることです。
 理科系の研究であっても、人文社会学系の研究であっても、現在ある何かしらの現象、物体の中で、はっきりと分かっていない部分や、なんとなくこう言われているけれども本当のところどうなのか?といったことを、しっかりと公平中立な目で明らかにしていくことが求められます。
 以下に、研究を始める際に必要な点を大きく挙げておきます。

 1.問題意識・研究の意義

 何のためにこの研究を行っているのか?この研究が明らかにされたところで一体誰のためになっているのか?どんな問題を解決したいと思い、研究を始めたのか?研究においてまず必要なのがこれです。
 日本には星の数ほどの大学があり、その分だけ多くの教授や講師、大学院生がいることから、実際には骨の髄までしゃぶられているほどの研究がなされています。
 そのため、「人のための研究」ではなく、ただ単に分かっていないことを明らかにするということに価値がおかれることもしばしばみられるようです。
 社会学を専門としているSFCの小熊教授はプラナリアの肛門を例に挙げて、もしプラナリアの肛門に生命の神秘、生命の進化を見いだせるならば良いが、ただ調べられていないから調べる、ということであればそういった研究は意味がないとのことを言われていました。
 ただ、「結果として意味がなかった研究」をする意味はなかったのか、というとそうも言い切れません。
 特に哲学研究や歴史研究の場合(もしかしたら研究一般的にかもしれませんが)、研究が現在の諸問題に直接的に関わりがないケースが多々見られますが、一部には世の中を揺るがす発見も存在します。
 これを明らかにして、今すぐ何に役に立つかは分からないが、もしかしたら大きな発見につながるかもしれない、といった研究も実は研究として意義があり、ノーベル賞を獲得した研究の中でも「偶然」から世紀の大発見にまでつながったケースも見られます。
 私はまだ、研究の意義についてどうこう言える知識があるわけではありませんが、たとえ無駄になるかもしれない研究に関しても、研究を行う際は、現在、また将来的に研究の価値が出てくることを常に考えながら、進めていかなければいけないと思います。
 単なる興味だけで調べた研究はやはり価値が見いだせないことが多く、価値を見出すことを前提としていないため、その価値が出てきた際も、忘れられているのではないでしょうか(なんだかんだで、どんな研究も理由を後付けできるところがまた難しいのですが….)。
                          

                      (次回へ続きます。)

              慶應義塾大学SFC 総合政策学部 尾室 拓史

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