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第74回:やりたいことの見つけ方(3)

 豚インフルエンザで休講になるかと思いきや、なっていませんこの頃です。春学期が始まったと思いきや、もう6月で半分を折り返しているとなると、驚きです。前回の続きです。

研究とプロジェクト

 SFCでやりたいことを決める際には、研究かプロジェクトかといった大きく二つの軸があります。もちろん研究がプロジェクトに発展する場合もありますし、プロジェクトを動かす上で何かしらの研究は必要ですが、現象を調べることに重きをおくか、現在の社会へアプローチしていくことに重きをおくかで、研究かプロジェクトかが決まってきます。

 SFCは問題発見・問題解決を謳っており、それを知った受験生の多くは、志望理由書作成においてまず世の中の問題を発見し、その問題を解決するような仕組み、システム、サービスなどを考えがち、すなわち研究ではなくプロジェクトの方をやりたいこととして考えがちですが、実際にSFCの研究会で行われているのはプロジェクトだけではなく、研究もあります。今回からはそれぞれについて、志望理由書等でおさえるべきことを述べようと思います。

プロジェクトについて

 プロジェクトについては、以前書いたように、この世の中の中で、何が問題かを自分なりに発見し、それを解決していく独創的なシステムを考えていく必要があります。何が問題なのか、そしてやりたいプロジェクトが何故有効なのか、ということをある程度人に説得できる、最低でも自分と、協力者が納得できるぐらいに調査することは大切ですが、実際に動いてみる、やってみることが一番大切で、それが唯一プロジェクトが正しかったかどうかの基準となります。しばしば、プロジェクトが正しいという100%のデータを集めなければならないと要求する、思い込む人もいますが、100%集めることはまず不可能であり、実際にプロジェクトを動かすことで、何が正しかったのか、正しくなかったのかがくっきり見えてきます。動かしていくことでのリスクはもちろんありますが、「リスクをとらないと何も起こらない」というリスクが一番恐ろしいものと言えます。

 問題発見、問題解決、というと何かしら悪いものに対して改善を加えていく、という印象をもちがちですが、新たなビジネスを生み出す、といったように、現在の生活にさらに価値を生み出していくようなものでも構いません。最近では社会起業家という概念がブームとなっており、ビジネスを行うにしてもそちらの方によりがち、そちらの方が評価されると思ってしまいがちになりますが、逆に自分のやりたいようなビジネスを自由に考える受験生の方が今は評価されるかもしれません。ただ、ビジネスをやるにしても、一番考えなければいけないのは、消費者のペイン、言い換えると消費者が今苦しんでいること、面倒だなと思っていることで、そこをしっかりとらえることで誰にも受け入れられるビジネスが生まれてきます。お金儲けがしたい、という気持ちは人間の心に少なからずあるものですが、志望理由書作成にあたっても、実際にビジネスを動かすにあたっても、サービスを与える相手のことを考えるのが一番有効であり、やりながらも満足感が得られるものとなります。

                      (次回へ続きます。)

              慶應義塾大学SFC 総合政策学部 尾室 拓史

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