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第47回:AOの添削とは?2

AOの添削に関する前回の続きです。

  (2)に移ります。本当に能力があるやつなら自分で志望理由書が書ける、ですが、(1)と同様に、能力があるからと言って、文章表現能力まであるわけではありません。確かに、文章表現能力というものは、社会人として身につけておくべき大きな能力の一つですが、たとえばスポーツ、音楽といったように、特にそれを必要としないこともたくさんあります。そういった分野での能力を伸ばした人が、文章表現能力によってフィルターをかけられたためにAOでは合格できないのであれば、おかしな話です。

  次の(3)ですが、まず、(1)、(2)どうように「情報収集能力」も総合的能力の中の一つの能力にすぎません。大げさな例で言うと、特定の分野で一流と呼ばれる人の中でも、インターネットどころか、パソコンが使えない、という人もいるのです。さらに、大学側がAO入試に関してブラックにしている面が多々あることと、AOを受ける際に必要な「大学」について、なかなか深く知ることが難しいことにより、自ら情報収集するよりも、添削員によって大学のことについて聞いた方が多くの場合早いといえます。特にSFCに関しては、その学部の特異性、自由度の高さから、受験生の立場では知り得ない情報も多々あるので、添削員と呼ばれる味方をつけておく必要はあります。そもそも人に聞く、ということも重要な情報収集の方法ですので、(3)に関しては主張がおかしいことが分かります。

  以上のことから、結局何故添削をしなければならないのかをまとめると、

その人のオリジナリティ、魅力を最大限に表すための、文章表現能力に関する手助けをし、情報提供を行う。

  こうなります。さらに言うと、SFCでは「問題発見能力、問題解決能力」もやや試されるので、その能力を自分のやりたいことを通して養うことも必要となってきます。

  つまりAOの添削とは「受からせるための添削」ではなく、「その人の魅力を最大限に大学へ伝えるための添削」であり、いわば、Webサイトのデザイナーのようなものです。いくらデザイナーが優れていても、対象がそもそも素敵なものでなくては、うまくデザインできるはずもありません。

「だから添削は絶対に必要なんだ!」
と、以上のことから言えるかというと、実はそういうわけでもありません。

  一般入試型の評価方法しか頭にない日本人は、AO入試においても考えをシフトさせ、「質問の答えによって受験生を評価するのが面接」なんて思う方が多いと思われます。しかしながら、AO入試が総合的能力を判断する入試である以上、受験生の魅力をひきだすことは大学側の役目でもあります。SFCの教授も言われていたことでもあるのですが、50:50な関係にたち、お互いにお互いを知り合うのがAO入試であるべきです。受験生が「完璧なアピールをしてくるのが当たり前」なんて入試であるならば、それはすなわちプレゼン能力によってフィルターをかけていて、「総合的な能力」を見る入試とはなっていません。

  つまり本来、「添削」などなしに、大学側が受験生の魅力を入試において引き出し、評価するのがAO入試における理想であると私は考えています。しかしながら、AOの発祥地SFCであっても、多忙な教授の方々はAOにかける手間や時間は少なく、何度も言うように“ブラック”な部分が多いために、それが100%実現できていないことも事実です。

  AOの添削とは、その穴を埋めるためにあるのかもしれません。AOの面接官は塾や予備校が対策をしてくることを嫌がる傾向がありますが、添削(対策)があるということは

I対策してくれば答えられる質問を投げかけている。
もしくは、
II受験生の魅力を面接官が時間内に引き出すことができていない

  これらの事実の裏返しでもあると言えるのです。Iに関しては、「この社会問題どう思う?」や「今朝ちゃんと新聞読んだ?」なんて、総合的能力を測るはずが、特定の問題に絞っているために、対策してきた人が有利となるような質問を投げかけているという意味です。

  よって、いたずらに塾や予備校を批判していてもいけないと思います。


  話が色々な場所へと行きましたが、結局尾室拓史はAOの添削というものをどう思っているのか?というと、できれば、なくなった方がいいが、実際にはアドミッションオフィスの力を補完するものとして、必要なもの。  こう思っています。

慶応義塾大学SFC 総合政策学部 尾室 拓史

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