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第27回:志望理由書7~解決案による差別化1~

前回は志望理由書に書くべきおおまかな内容を述べました。今週からは差別化シリーズの第2弾として「解決案による差別化」をお伝えして行きます。

2解決案による差別化
  志望理由書に深みをもたせる一つの技として、自らがテーマにおいて提起した問題に対し何かしらの解決案を提示するものがあります。時と場合によりけりですが、「それを大学で研究する」と投げ出して終わるよりも「例えばこういった解決案が考えられる」→「しかしそれにはこういった問題もある」→「大学での研究により深めたい」とつなげていく方が魅力的な文章となります。けれども、解決案を提示するからにはその解決案が誰もが思いつくありきたりのものではなく、オリジナルかつ合理的で教授をはっとさせるものでなくてはなりません。
  SFCは「問題発見、問題解決」をうたう学部ですが、「問題発見、問題解決」の意味をあなたは正しく理解しているでしょうか?参考までに「なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか」(枝廣淳子/小田理一郎 著)にあったとある話を紹介します(そのままの引用ではありません)。

   とある道路が渋滞してしまうため、その解決策として「道路の容量を増やすために道幅を広げればよい」というものがよくあがります。道路拡張→道路容量アップ→渋滞解消として、一時的には確かに渋滞は減りました。
   しかしながら渋滞解消によって自動車での移動の魅力が増し、それまで電車などの公共交通機関を利用していた人も自動車を利用するようになります。それによって公共交通機関は経営難に陥り、経路縮小、料金値上げを実施、結果的にますます自動車の利用者は増え道路渋滞は再び起こってしまいました。
   コロンビアのボゴタでは、渋滞解消のため、バス専用のエクスプレスレーンを設けることにより、渋滞する自動車を横目にバスが道路を高速で走っていける環境を作り出しました。その結果公共交通機関の魅力が増し、自動車交通量が減って、渋滞は緩和したそうです。

  気付いた人もいるのではないでしょうか?真の問題発見、問題解決とは、何気なく「道路渋滞がひどい」「地球温暖化が深刻化している」などと誰もが思っている問題を提起し、ありきたりの直線的な解決法でひたすら頑張ることなどではありません。この場合、実際の問題が「道路渋滞」ではなく「公共交通機関の魅力が無い」ことであったように「何が問題なのか?」を探りあてた上で解決案を提示し、検証していく営みのことを指します。志望理由書を書いていく際に意識しないといけないことは、自分も成長していかなければならないということ。テーマを深めるとは、テーマに関した知識を増やすだけではありません。自分が関心をもったテーマは本当の意味で問題の解決に役立てているのか?自分の将来目指す職業は、本当に自分が思い描く未来を達成するものであるか?これら全てを疑いながら、時にはテーマさえも変更し、真の問題発見、問題解決を自らの中に促していくことです。一つのことにこりかたまらず広い視野で関心のある問題を眺めること、これが魅力的な志望理由書を描くための第一歩となります。



慶応義塾大学SFC 総合政策学部 尾室 拓史

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